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看護部

看護部の理念 方針 良質で、安全な、根拠のある看護・介護を実践する。

  • 1 専門職としての自覚をもち、自己研鑽に努めます
  • 2 腰痛予防対策を徹底し、ケアの質を高めます
  • 3 て・あーて、熱布バックケアを実践し、患者の回復過程を助けます

私たち看護部は、病院の理念に基づき、上記のような方針を上げています。
大きな病院にはないアットホームな雰囲気の病院を目指しながら、患者様も職員も一人ひとりを大切にする環境作りに努めています。
美須賀病院に入院(通院)してよかった、美須賀病院で一緒に仕事ができてよかったと言ってもらえるように!

看護部総師長からのご挨拶

ようこそ

ホームページをご覧いただきありがとうございます。
医療を取り巻く環境は、超高齢化社会の中で、機能分化が推進されています。また、急性期の入院期間が短縮され、急性期病院からの紹介も増え、益々連携の必要性を感じています。そして、当院の役割も明確になってきました。当院の強みを活かし急性期から回復期、そして在宅復帰(施設)までのリハビリや療養のお役に立てるよう努力したいと考えております。
私は、今治沖の島で生まれ、交通手段も十分ではない環境で、医療・福祉・教育・芸術等の地域格差に疑問を持ちながら育ちました。でも、看護の基本は、病院や施設が大きくても小さくても、都市でも地方でも変わらないと思います。また格差があってはならないとも思っています。
私たちは、「看護とは何か、私たちは何をするべきか」を考えながら、常に患者様の代弁者であれるよう心掛けています。

「て・あーて」に学ぶ

川嶋みどり先生にご指導頂いて

2013年5月に、看護部の学習会で川嶋みどり先生の講演会を実施しました。川嶋先生の教えを胸にジェネラリストとしての自負を持ち、日々の看護に取り組んでいます。また、2014年には、川嶋みどり先生が代表を務める一般社団法人日本て・あーて,TE・ARTE,推進協会主催の“て・あーて塾”に参加の機会を得ました。文字通り手を使ったケアの理論や実技等豊かな学びを頂きました。川嶋先生から「学びの真髄に触れながら主体的学習の面白さを体験してほしい。自らの経験知を言語化し、表出し、討論し、共有する質の高い看護実践に通じる道筋を考え、実践を阻む要因を探り、その解決策を実行する具体策を出していくように」と言われました。
講演会の感動を風化させない為に、また看護の基本に立ち返るために、そして看護とは何か、私たちは何をすればいいのかを深く考えるためにも、川嶋先生の講演記録をまとめようと思い立ち、2015年9月に創風社から「て・あーて」に学ぶと題して出版しました。
また、同年には、“て・あーて塾”が今治で開催され、スタッフが数名参加しました。“て・あーて塾”で学んだ仲間が増えたので、この学びを現場にフィードバックし、みんなで「て・あーて」に取り組んでいます。また、今治タオルを使用した熱布バックケア(熱いタオルを背部に当てる)にも取り組み免疫力アップに努めています。


「て・あーて」とは

「て・あーて」とは

「て・あーて」とは、手を当てるケアをいいます。川嶋先生は、「その人固有の自然治癒力に働きかけるのが、看護の原点であり、その具体的な手法の第一歩が看護師の手を用いたケア」であるとして、「皮膚を介してもたらされる種々の刺激、温熱・浴を介したケア、種々のポジショニング・清潔ケアの諸効果など、(狭義の)医療技術に匹敵する効果がある」(川島 みどり(著) (2011).『チーム医療と看護』看護の科学社 P.72)と「手」を用いたケアの実践を推奨しています。

「熱布バックケア」とは

「熱布バックケア」とはタオルを利用して、熱布を背部から腰部に当てるケアをいいます。川嶋先生は、腹臥位療法と熱布バックケアを合わせて「ワンセットケア」と名付け普及に努めています。当院での方法は、清拭車で温めた今治タオルを腹臥位・半腹臥位・側臥位・座位等で背部に当てます。フェイスタオル2枚を適度に振って冷まし2つ折りにし並べて頭側と腰側に1枚ずつ、4つ折りにしたタオルを腰部に当て、残り1枚は熱さを残して2つ折りにし、縦に重ねて当てポリエチレン袋で覆い、15~20分バスタオルや布団で保温します。タオルを取り除いた後は、素早く清拭をし、冷えを予防します。効果についてはたくさんの論文があります。
当院は、腹臥位療法に20年以上前から取り組んでいます。COVID19でにわかに注目を集めていますが、必要な患者様には当たり前のケアになってほしいと思っています。
(川島 みどり 他(著) (2020).『広めよう!!熱布バックケア』自然の回復過程を整える熱布バックケアプロジェクト アイワード)


腰痛予防対策

腰痛予防対策

当院では、2015年からリハビリ部門と協力して、患者さんを抱えない・持ち上げないノーリフティングケアに取り組んでいます。
先進諸国では、20年も前から取り組まれていますが、近年、日本でもノーリフト協会®が設立され、各地で取り組みが進んでいます。当院でも、患者さんも介助者も楽なノーリフティングケアを実施しています。
取り組む前は、患者さんをベッドから車いすやストレッチャー(寝台)に移す時、体の下にバスタオルを敷き、4人がかりで「セーノ」や「ヨイショ!」の掛け声とともに持ち上げていました。またベッド上の移動も二人で抱えて行っていました。しかし、ノーリフティングケアは、文字通り持ち上げないのです。スライディングシートやスライディングボード又はリフトを用いて全く抱えることなく移動・移乗ができるのです。
導入に当たっては、研修会を何度も開催しました。研修会では講義の後、演習の時間を取って繰り返し実施しました。参加者の感想は、「する側もされる側も楽」でした。そして、スライディングシート、スライディングボード、ターンテーブル、リフト等多くの福祉用具を購入しリーダーを養成して現場で使用しています。その取り組みを看護の科学社から本にまとめて出版して頂きました。ご覧いただければ導入の過程がわかって頂けると思います。また、東京シネ・ビデオ株式会社でDVDが作成されました。お陰様で就職希望の看護師が増えました。

働きやすい職場環境

私は、職場環境を語る時、「働きやすい職場を目指す」と言ってきましたが、人間関係や風土といったことばかりに注目し、物的環境になかなか目がいかなかったことを反省しています。職員が腰が痛い、手が痛い、膝が痛いと退職希望者が続出したことをきっかけに本気で何とかしなければと思いました。

腰痛は、職業病、看護師の勲章位に考えていた私です。管理者として恥ずかしい限りです。しかし、先に触れたて・あーて塾で、ノーリフティングケアに出合いました。学ぶうちに腰痛は労働災害である認識を強くし、本気で職員を守らねば…と思いました。
「無知は罪」だと実感します。新しい・正しい知識と技術を習得して、看護・介護の質の向上に努めたいと意を新たにしています。
また、在宅介護をされている地域の皆様への情報発信、相談等もできたらいいなあと思っています。

日本では、機械による介護は冷たいと思われ、人の手による介護が推奨されてきました。確かに、人の手による介護の温かみやスキンシップの大切さは否定できません。しかし本当に介護はすべて人の手で行うべきなのでしょうか?福祉用具の使用は冷たいものでしょうか?決してそうではありません。職員が元気になるし、患者さんも苦痛が少ないそうです。実際に在宅で使用している患者さん・ご家族からは、病院ではなぜ福祉用具を使用してくれないのかと言われたこともあります。人の力には限界があります。福祉用具の力を借りてよりよいケア、質の向上を目指したいと思います。

また、楽をするとリハビリにならないとの意見が聞こえてくることもありましたが、定着するとともに、自立支援になっている事例も増えてきました。

腰痛予防は道具が入って終わりではありません。介助者の指の関節の保護、体重移動等まだまだ課題はあります。環境改善にもまだ工夫が必要です。学びながら、改善を続けたいと思います。病院でのノーリフティング研修のお手伝いや、私たちにできることで少しでもお役に立つことがあればお声掛けください。

美須賀病院 看護部総師長 重見 美千代
2021年6月1日

教育・研修

教育・研修

看護部教育委員会で、ほぼ毎月研修会を実施しております。
また、看護協会をはじめ、各種の研修会・学会に参加しています。
新人教育は、看護協会主催の研修に参加しています。もちろん、当院での指導もチームで関わるよう、人材を大切に育てようと取り組んでいます。
一人ひとりの成長レベルに添って、丁寧なかかわりを目指しております。新人もスタッフの大切な一員として自由に発言ができるよう、支援に努めております。
働きながら学校へ行く看護学生にとっての労働環境は、高い評価を得ています。ここ数年、卒業生が数名残ってくれました。嬉しいことです。大きな病院を希望して辞めていく学生もいますが、どこかで資格を生かしてくれればいいと広い心で見守っています。

外来部門紹介

外来部門紹介

入院期間の短縮とともに、外来看護も多くを期待されるようになり、また、その役割も多岐にわたっています。入院からの継続看護ができるようにと、介護サービスの実態を記入した生活状況票を作成し、患者様やご家族の生活を視野に入れた支援を心がけています。また、外来でも「て・あーて」を実施しています。
私たち外来看護師は、勤続年数30年以上のものも多く、長年通院されている患者様からは安心だとのお言葉をいただくこともあります。日々高齢者の方々の気持ちに寄り添えるように努力しています。
わからないことは一緒に調べながら、どうすることが患者様のためになるか、どんな工夫があるか、どんなサービスを入れればいいか等、微力ながら在宅生活を支える一助になればと考えています。お気軽にご相談ください。